「矢島の人たち」企画原案

地域自治区矢島地域協議会 5 
  地域協議会で住民自治を身近なものに  平成19年6月22日

                太田良行   NPO法人矢島フォーラム理事長

平成18年度矢島地域協議会で提出されて問題は以下のようなものでした。

○ごみ分別回収方法 ○公共施設周辺の草刈り ○中高跡地利用計画 ○道路補修 ○支所だよりの充実 ○総合案内所の活用 ○案内看板の必要 ○町の伝統を継承する工夫 ○除雪 ○庁舎の空きスペースの利用 ○お祭りの運営 ○見どころ案内人の充実 ○日新館の照明 ○ホームページの不更新 ○TDK(撤退)問題

矢島地域協議会は、これらの問題のなかから中高跡地利用問題と生活環境・産業振興に関わる問題のふたつにまとめて、意見書として市長に提出しています。

ところで、これらの問題はひとつひとつ由利本荘市全体の問題として考え対応しなければならないものでしょうか。なかには矢島町(地域自治区)で十分に対応できることがあるのではないでしょうか。

地域自治区の意義をちょっと見直すことで、あるいは行政側の工夫で、さらには条例を改正することで、矢島地域協議会の機能をもっと強力にできる可能性があります。

条例によると、地域協議会は、定められた事項について、市(長)の諮問に答申するものとあります。協議会の基本的役割は尋ねられたら意見をいうというものですが、それとは別に、協議会が必要と認めるものについても市(長)に意見を述べることができるともあります。(『由利本荘市地域自治区の設置等に関する条例』第8条)

つまり協議会はその気になれば受動的ではなく能動的にもなれる組織です。加えて条例には専門部会を置くことも認められています。(同第10条)

このような権能をフルに活かすなら、矢島地域協議会が提出した問題のなかには、市まで上申しなくても町地域住民の力で解決できるものがあるのではないのでしょうか。

○中高跡地利用計画 ○総合案内所の活用 ○見どころ案内人の充実 ○ホームページの不更新

これらは予算がつかなくても、協議会側でその気になれば自主的に行うことのできる問題のように見えます。

中高跡地利用については、高校施設を存置したいという希望のようですが、ばくぜんと要望を表明するのではなく、利用実績を提示してその重要性をアピールするとか、管理運営は住民で引き受けることにして市が応じやすい状況を作り出すとか、まず地元から青写真を示すことが大切ではないでしょうか。

総合案内所の活用については、過去の来訪者数や利用者の利便性などをリサーチした上で効率的な利用案を町側から示したらどうでしょう。その場合には、案内所が冬季のあいだは休館していることや、鳥海山をめぐるほかの地域案内所の連絡に必要なパソコンさえ置かれていないという現状に対する反省も必要です。

見どころ案内人の充実やホームページの不更新については、矢島フォーラムのようなNPOを積極的に活用していくことも考えてみたらどうでしょう。

○案内看板の必要 ○町の伝統を継承する工夫  ○お祭りの運営 ○ごみ分別回収方法 ○公共施設周辺の草刈り ○支所だよりの充実

これらについては、ある程度の予算措置が必要ですが、地域協議会に一定の範囲で自由裁量で使える予算をつけて、財政的措置が必要なもののうち小規模のものは地元で解決してもらうという方式をとることができます。その例を大仙市に学ぶことができます。(『地域自治区矢島地域協議会3』) 

大仙市の地域協議会の法的根拠は地方自治法にあって、これは由利本荘市も同じでですから、由利本荘市でも大仙市と同種のことはできるはずです。たとえば、各地域協議会に1000万の予算があれば、上記の問題のうちの大半は市の判断を待たなくても自分たちでできるでしょう。ちなみに1000万円なら全地域協議会で1億程度。これは市の一般予算の0.2%でしかありません。

さらに、条例を改正して財政的裏づけをたしかなものにする方法もあります。この点では湯沢市の例が大いに参考になります。(『地域自治区矢島地域協議会4』)

条例を改正するのであれば、第5条第3項の委員の資格規定に「有志(ボランティア)のもの」を加えるべきです。

現在の規定
(「町内会等を代表する者」「公共的団体等を代表する者」「学識経験を有する者」)では、若い方ややる気のある方を排除してしまう恐れがあります。2年後の次期改選までにはこの点を改めることができるといいのですが。

地域協議会は、もともと合併によって遠隔化する行政から地域の自治機能を保護育成するために考え出されたものです。その実態と機能が今後どのようになっていくのかは、これに対する行政と地域住民の取り組み方で大きくちがってくるでしょう。

住民が積極的になれるような組織と機能を保障できなければ、たんなる行政のアリバイ作りの組織になってしまうこともなしとしません。

域自治機能が育たなければ、地域は少子化、老齢化、過疎化に追われてどんどん無力化していくことでしょう。

地域協議会をどれだけ血の通ったものにできるか、今後の矢島町の将来を左右する問題のように思われます。



備考: 地域自治区矢島地域協議会第1回
     地域自治区矢島地域協議会第2回
     地域自治区矢島地域協議会第3回
     地域自治区矢島地域協議会第4回

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