「矢島の人たち」企画原案

地域自治区矢島地域協議会 4 
  湯沢市のユニークな地域自治組織  平成19年6月5日

                太田良行   NPO法人矢島フォーラム理事長
湯沢市の場合
新湯沢市も由利本荘市と同じ平成17年3月22日に誕生しました。(旧)湯沢市、雄勝町、稲川町、皆瀬村が合併してできた人口55000人の市です。

湯沢市にも旧市町単位に地域自治組織が作られましたが、由利本荘市とはまったく異なっています。

告示「「湯沢市まちづくり支援要綱」
由利本荘市の地域協議会は地方自治法に基づいて市条例で定められたものですが、湯沢市の場合は、法律にも条例にも基づかない市の「告示」である「湯沢市まちづくり支援要綱」に定められています。

湯沢市のホームページから
上図は湯沢市の想定する地域自治組織と市の関係を表したものです。

由利本荘市の地域協議会は上の図では地域自治組織連絡協議会(黄色)に当たります。湯沢市ではなぜ「連絡」ということばが入っているのかというと、ひとつの自治組織のなかに平均して5つほどの「地区組織」が入っているためです。

たとえば、旧稲川町を例にとると、矢島地域協議会にあたるのは「稲川地域自治連絡協議会」です。稲川地区の場合、地域内に稲庭、三梨、川連、駒形の4つの小自治区があって、それをまとめているのが連絡協議会です。この点、鳥海地域協議会がそのなかに川内、直根、笹子の小自治区(小学校の通学区域にほぼ一致する)をもっているようなものと想像してみると理解しやすいかもしれません。

自治組織は協働パートナー
湯沢市はこれらの地域自治組織をまちづくりのパートナーとして行政の一部を任せています、いっぽうで、これらの自治組織を育成支援して、いわゆる協働関係を築くことに努めています。
由利本荘市のホームページから

右の図は由利本荘市の概念図で、先に示した図の一部を再掲したものです。

湯沢市のものと比較して、大きくちがっている点は、市と自治組織の関係が湯沢市では横(対等)の関係で示されているのに対して、由利本荘市ではたて(従属)の関係で示されていることです。

もちろん、由利本荘市の場合は、市に代わるものとして総合支所が想定されているわけですが、これには総合支所がその役割を十分に発揮することが期待されています。

地域自治組織の育成支援
地域自治組織が主体的に住民問題に取り組むためにはなんといってもお金が要ります。湯沢市では「湯沢市まちづくり支援要綱」に基づいて3種類の交付金で地域自治組織を支援しています。

お金の交付
地域協議会交付金 地域協議会の運営及び活動経費に対する交付金で、各連絡協議会ごとに最大50万円が交付されています。平成18年度は全4地域でほぼ満額の交付金が支給されています。

コミュニティ活動交付金 地域振興、地域福祉、防災、施設の維持管理等、地域自治組織が継続的に実施する地域の公共的な事務及び事業に対する交付金。これは各地区組織(湯沢市の図でオレンジ色の部分 およそ20の組織がある)に支給されるもので昨年度は全体で2000万円ほどが支給されました。

地域づくり事業交付金 地域自治組織が策定したまちづくり計画に登載された事務及び事業のうち、市長が適当と認めたものに対する交付金で、これも各地区組織を対象に150万円を限度に支給されています。昨年度は1850万円ほど。

全体では、昨年度湯沢市は全体で約4000万円を地域自治組織に交付しています。

稲庭地域自治区ではこれらの交付金をもとに、排水路工事、小学校の銘木(桜)保存事業、生徒安全支援事業などを実施しています。また、稲川地域連絡協議会では昨年度123項目の要望書を提出、市長は年度内に返事をすることになっていました。

比較のなかから見えてくること
地域自治組織が活発に活動できるかどうかは、ひとえにお金があるかどうかにかかっています。そのお金は当然のことながら税金に依拠することになります。

じつは、矢島町は数年前の合併協議会で法人格のある、つまりは予算執行権のある地域自治区を考えていました。合併特例法では期限付きながら旧市町単位で法人格をもつ特別区になることが認められていたのです。

しかし、合併協議会で決定されたのは、法人格のない地域自治区でした。この枠のなかで「区長」が置かれ「地域協議会」が置かれました。

区長制度は今月いっぱいで廃止されますが、地域協議会は存続します。湯沢市や大仙市の例に学ぶなら、条例を変えないまでも、市長の権限の範囲内でちょっと工夫をすれば、地域協議会はもっとパワーをもつことができそうです。

次回には、矢島地域協議会にできそうなことを考えてみます。


備考: 地域自治区矢島地域協議会第1回
     地域自治区矢島地域協議会第2回
     地域自治区矢島地域協議会第3回


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